ビジネスのタネはどこにでもある:新規事業のアイデア例

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素人にしかできない発想

ジーンズを初めて生産したリーバイス(リーバイ・ストラウス社)は、1990年頃から低迷期に入りました。2011年、リーバイスを立て直したのがチップ・バーグです。最高経営責任者に就任し、組織の再構築と経営戦略を全面的に見直しました。再編成の対象となったのが、会社の根幹を担うエグゼクティブメンバーのほぼ全員、また個々の市場を担当するリーダーチームの3分の2です。

チップ・バーグはファッションビジネスを分析し、中核になる事業へ力を入れ始めました。展開されていったのは、自身が普及の名作と評するジーンズのアレンジや、リーバイスでは主流ではなかった女性物のトップスです。また小売業の流通経路の確保、電子商取引への投資によりコスト構造が改善・向上されました。2013年から2017年現在まで営業利益を拡大し、V字回復を成功させています。チップ・バーグは厳密には”素人”ではありませんが、アパレル業界においては未経験でした。

ノンアルコールビールを実現した、キリンフリーの担当者はビールの素人でした。顧客の立場に立った発想により、ノンアルコールビール実現の難しさを乗り越えました。アルコールを生成する発酵の工程をなくし、玄人的な技術によって完全ノンアルコールの実現に至っています。ビールの味や色合いを出す技術開発に注力し、常識を覆すコンセプトを実現させました

コンセプトがなかなか上手に創られない理由は、玄人の発想で、素人が実行するためです。成功の種になりやすいアイデアとは、単純で素直な内容です。中途半端な知識をぶつけると、人の持つ想像や希望の邪魔をして視野を狭くします。また素晴らしいアイデアの実現には、専門的知識や技術を用いないと成功に繋がりません。自由な発想がなくなれば実現したい方向を見失い、技術が足りなければアイデアの実現に至ることが不可能です。「素人の発想」と「玄人の実行」の両立は困難ですが、重要です。

知識の深さが成功に直接結びつくわけではありません。それを皆さんに紹介します。

まずは付加価値から考える

新規事業のアイデアを創り出す際は、2種類のパターンに分けられます。今までにない発想から作られる新しいサービスと、既存サービスに対する付加価値です。新しいサービスの開発には、情報や科学技術、原材料など知識と技術を要します。既存サービスの付加価値の例に挙げられるのは、眼鏡のブルーライトカット機能です。視力に関わらず、コンピュータを使うユーザーを対象とした事業となりました。また宅急便における当日配送は、スピードを付加価値として新しいユーザーを獲得しました。付加価値を創り出すことは、低コストや多様性を足し、新しいサービスへと殻を破ることになります。

アイデアはお金にならない

 

新規事業でアイデアをお金にする際、大切なのは根性です。ビジネスのスキルや経験、知識を集めて時間をかけなければ事業として成り立つことができません。時間を投資し、アイデアを事業に生かすには根性が必要です。売り出したいサービスは根性で話題や広告を仕掛けていき、根回しを行うことで効果が現れます。新規事業のアイデアは、普段から考える事であるとき潜在意識から飛び出します。また時代を読んで先々を予想し、本に書かれた知識に触れることでもアイデアは集まります。

プロの漫画家である三田紀房氏は、「人との会話やテレビに転がるネタを拾うことに遠慮することはない」としています。アイデアの創出は日常的なものであり、努力して考えることが寿命を縮めるという考え方です。事業で成功するには、アイデアそのものを疑わず根性で行動し、形にすることが大切です。

アイデアの多くは、お金になりません。

アイデアの成功発想例


アイデアの成功発想例を、いくつか紹介します。

価格ドットコム」はコンピュータ機器の値段を一覧に表示し、簡単に比較ができるウェブサイトです。消費者は電気街を回らずに済み、また企業が価格ドットコムに登録するようになりました。

QBハウス」は髪を早く切ってほしいという需要に基づいた、10分1000円のヘアカット専門店です。このように自分の考える不満などを種とし、ターゲットを絞るという方法があります。社会で求められる、一般的な問題の解決を仕事とするアイデアもあります。

私立や国立の小学校について情報が集まる、ポータルサイトが存在します。受験対策のある幼児教室や受験に関する行事、また悩み相談についてカバーされています。

既存のサービスで、世界や日本国内の情報が伝わる時間のズレを利用する方法もあります。アメリカの流行を日本へ持ち込むことなどは、スピード勝負のアイデアです。

「リトルスプーン」は札幌で流行したスープカレー屋さんです。東京へ進出し、チェーン店として多くの店舗を展開していきました。また食べ物に関するテーマパークとして、カレーミュージアムや餃子スタジアムなど、既存のサービスを他の業界へ持ってくる手法もあります。その他、インターネットカフェなど2つの事業を掛け合わせる例もあります。

カカクコムのケース

株式会社カカクコムの創業者の槙野光昭氏は、コンピュータの周辺機器メーカーに務めていました。23歳で起業し、28歳のときに会社の経営を退きました。株式会社カカクコムは、店舗で販売されているオーディオビジュアルやコンピュータなど電化製品の値段を確認できる「価格.com」や、評判の書けるグルメサイト「食べログ」などを運営しています。

槙野光昭氏は入社先のコンピュータ周辺機器メーカーで、営業の仕事をしていました。秋葉原にある複数のコンピュータショップで、自社と競合他社の商品の値段を確認するという仕事内容です。仕事を繰り返す内、コンピュータを安く売る店舗の情報は誰もが欲しがるのではないかと思い付きました。槙野光昭氏は会社を退職し、自宅で「価格.com」の前身「¥CORE PRICE¥」を立ち上げました。当初はインターネットから情報を集めて手作業で更新していましたが、知名度を上げ、コンピュータを扱う家電量販店などが店頭価格を登録するシステムに切り替わっていきました。

槙野光昭氏の学生時代から持っていた夢は、束縛されない自由な時間を持つことでした。起業を決意する原動力となったのが、自由への憧れでした。槙野光昭氏が28歳で身を引いた価格.comの代表取締役を、穐田誉輝氏が引き継いだその後、東証一部に上場しました。

アディダス・プーマのケース

 

製靴向上のダスラー兄弟商会は1920年、ドイツのバイエルンにあるヘルツォーゲンアウラッハで設立されました。兄のルドルフ氏は営業、弟のアドルフ氏は靴職人を勤めており、1936年に業績を飛躍的に伸ばしていきました。1936年のベルリンオリンピックを皮切りに、ナチス政権がスポーツ振興に力を入れたためです。また陸上選手のジェシー・オーウェンズ氏がダスラー兄弟の靴を履いて4枚の金メダルを獲得し、アスリート達と関係を築いていきました。

第2次世界大戦中、ナチスの党員でなければ仕事の受注ができなかったことが兄弟仲に不和を生じさせました。仕事を諦めざるを得なかったルドルフ氏に対して、アドルフ氏が靴を作り続ける選択を取ったためです。戦争が終わるとルドルフ・ダスラー氏はプーマ、アドルフ・ダスラー氏はアディダスを立ち上げました。

アディダスは製造施設をアジアへ移した1990年代終盤に技術の大半を失い、トップアスリートの広告契約がナイキへ取り付けられるようになって迷走し始めました。アディダスは保有していたスポーツ選手のデータを元に、ユーザーの求めるものを考えていました。アディダスのクリエイティブディレクターであるジェイムズ・カーン氏が気にしていたのは、都会の街でランニングやマウンテンバイク、ヨガなど運動をする人々を度々見かけることです。アスリートを主に対象としていたスポーツ用品メーカーとして、健康を目的に運動を行う人々との対話、手助けをしていなかったことに気づきました。スポーツの専用靴をはじめ、高機能なファッション性のある製品を提供し、モチベーションの維持を手伝うというアプローチを取るきっかけとなりました。

ゼクシィのケース

JR東京駅から徒歩5分、オフィスビルの12階と13階には「ラグナヴェールTOKYO」という結婚式場があります。ブライダル事業を手がける株式会社エスクリが手がけたチャペルにはバージンロードを備え、100人以上収容できるパーティ会場が用意されています。結婚式に関するアンケートで最重要視される利便性を求め、駅に近いビルインタイプの結婚式場が作られました。

株式会社エスクリの社長である岩本氏は、幼い頃から社長になる夢を持っていました。営業を学ぶために入社したリクルートで、ブライダル雑誌「ゼクシィ」を探り探り立ち上げることとなりました。編集や営業、販売をこなす上で広告が集まらず、軌道に乗り始めたのが2年が経った頃です。レストランウェディングブーム、ゲストハウスウェディングがブームとなり、ゼクシィは全国14エリアで発行されるようになりました。そうして岩本氏はビジネスの知識、人的ネットワークの構築に自信を持っており、その内にエスクリを設立しました。

株式会社エスクリは現在、ウェディングブームの廃れを気にかけ、衣装や写真、配膳などのサービスの内製化に力を注いでいます。外部委託であれば顧客に負荷がかかるため、内製化により顧客満足度を高める狙いです。また、土曜日や日曜日に集中する問い合わせ対応にも尽力しています。式の立ち会い、顧客との打ち合わせで忙しいプランナーに代わり、業界初のコールセンターを設けることで成約率が向上しました。

ビジネスの成功を阻むもの

どんな会社でも、新規事業では計画通りの成果はなかなか上げられません。新規事業は様子を見る前に売上目標の数値を決めてしまうと、修正が簡単ではありません。

ある会社のケースでは、責任者となる役員が不明瞭なままでした。新規事業のデータが目標と異なる場合に責任を取る人物が現れない状況を繰り返すと、新規事業に挑戦する環境が遠のきます。保護されない新規事業は育たないため、上級役員によるサポートも求められます。また、失敗した社員を責めずに経験を積んだことを評価する人事制度が重要です。売り上げに着目する以外にも認知率や店舗数、リピート率など様々な数値を徹底的に設定しておけば、修正する余地が与えられる可能性があります。

フレームワークを活用してみる

企業の競争戦略を練る際、業界構造の分析に用いられるフレームワーク「5つの力」を紹介します。5つの力は業界の収益性に響く要素を見分けるもので、マイケル・E・ポーターが提唱しまたものです。

新規参入の事業者によるシェアの強奪や、既存業者間の競合による価格競争、供給業者や買い手の交渉力を脅威とする考え方です。供給コストが嵩んだり自社の利益率が抑えられる他、収益が減少する可能性があります。また低価格の代替品の影響で値下げをし、自社の利益が抑制される脅威も存在します。「新規参入社」「売り手(供給業者)」「顧客(買い手)」「代替品」が、「自社を含む既存業者間の競合」に絡み合い、脅威と変化していきます。

事業戦略を組み立てるとき、企業間の関係を図ることが大切です。しかし業界における競争状況のみに視野を当てると、構造的な側面を見落とす場合があります。企業の収益性は、業界構造によって収益性が決まる、業界自体からも影響を受けているためです。「5つの力」は業界構造の分析にうってつけですが、分析する業界の定義付けが重要です。

まとめ

今回はビジネスのタネ、新規事業のアイデアに関する例を紹介いたしました。アイデアは身近な物事から常に探す他、戦略的な事柄から攻めていくことも大切です。

通勤している会社から子供の通う塾の業界まで、参考になるビジネスは転がっているでしょう。教育業界に興味のある方は、フランチャイズの塾開業の事例について、データをダウンロードしてみましょう。新しい物事への挑戦は自信をなくしがちですが、素人、プロと関係なく強い意志を持つことが成功の秘訣です。

 

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