塾経営に必要な資格と開業前に知っておきたい資格の話

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これから塾を開業しようと考えている方にとって、気になる項目のうちの一つが「塾の経営に何か特別な資格は必要なのか?」という点だと思います。そこで今回は、「資格」をテーマにお話しします。

塾経営に必要な資格

先ほどの疑問に率直にお答えすると、「塾経営資格は一切不要」です。

特別な資格や法的な認可などは全く必要ありません。特に資格や学歴がなくても経営者になれるだけでなく、一般的な学校法人とは異なり塾長や講師も教員免許は不要です。ここがまさに普通の学校と塾で最も大きく違う点であると言えるでしょう。

というのも、塾長や講師はあくまで顧客である生徒や保護者にサービスを提供する立場だからです。塾経営において経営者が第一に自覚すべきなのは、「第3次産業に従事している」ということです。それ故に、顧客のニーズに応じ、意見に耳を傾けることが必要不可欠となります。むしろ形だけの「資格」よりも、サービスを徹底させ、独善的になりすぎないことこそが塾経営における「必要な資格」と言っても過言ではありません。そのことを頭に入れておきましょう。逆に言えば、たとえ経営が未経験の方であっても、「塾の経営に興味を持った」という時点で既に塾経営の資格を有しているかもしれません。

法的な認可も不要

前述した通り、塾の開業にあたっては法的な認可も不要です。

様々な認可が必要となる学校法人とは違い、塾は最低限教室として利用できるスペースがあれば開業できるというのがポイントです。また、自宅やマンションの一室を活用して開業する「自宅兼塾」の例もよく見られます。自宅を活用すれば費用も抑えることができて経済的です。そのため、塾の開業は経営初心者の方でも比較的ハードルの低いものとなっています。

このような開業の手軽さから、塾を開業する方は教育関係者だけでなく一般企業に従事していたという方も多い事実があります。脱サラ組や教育業界に興味があって子供が好きである方ならば、誰にでもおすすめできるのが塾経営なのです。早期退職者の方や、独立を考えている転職希望者の方にも向いていると言えるでしょう。

初期開業費用がほかの業種の起業に比べると比較的リーズナブルであるという点も魅力です。学習塾は全国で5万近くあると言われていますが、そのうちの8割以上が従業員5人に満たない小規模塾となっています。人件費がほかの業種と比較すると安くつくのも特徴です。

塾経営に役立つ資格

ここまで塾経営に特に必要な資格はないことをご紹介しましたが、持っていることで経営に役立つ資格ももちろん存在します。資格を取得していることが塾の強みやアピールポイントへと繋がる場合もあります。

ここからは、塾経営に役立てることができるかもしれない資格について詳しく触れていきます。今回は主に「各種教員免許」、「キャリアコンサルタント/キャリアカウンセラー」、「心理カウンセラー」、「プレゼンター/講師の民間資格」という4つの資格についてご紹介します。それぞれの取得方法についても解説していますので、資格の取得をお考えの方はぜひ参考にしてください。

各種教員免許

まずご紹介する資格は、「各種教員免許」です。

大半の方が「教育に関する資格」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが教員免許かもしれません。各種教員免許は教育職員になるための資格要件とされており、教育職員免許法に基づきます。日本において教職に就くには、何らかの教員免許が必須となっています。一般的に、教員免許は教職課程がある大学で所定の教育を受けることによって取得することが可能です。

そこで取得できる免許状は「普通免許状」と呼ばれています。免許状はさらに細かい種類、形態、区分にも分けられています。なお、2009年の4月1日以降に授与された免許状の有効期間は、10年を経過する日の属する年度の末日までとなっています。

また、免許状の授与申請は都道府県の教育委員会に行います。ちなみに、学習塾や予備校業界において、各種教員免許を取得している人の割合は、一般的に約33%ほどであると言われています。場合によっては10%を下回るところもあります。その理由の一つとして、学習塾のほとんどが学生のアルバイトを講師として雇用していることが挙げられます。

各種教員免許の取得方法

ここからは、各種教員免許の取得方法についてさらに詳しく見ていきたいと思います。

各種教員免許を取得するには、まず取得を希望する免許状に対応している教職課程のある大学や短期大学などに入学することが必要です。そして法令で定められた科目や単位を修得して卒業し、前項で述べたように各都道府県の教育委員会に教員免許状の授与申請を行います。なお、教職課程のある大学や短期大学について知りたい場合は、文部科学省のホームページを参照してみてください。

キャリアコンサルタント/キャリアカウンセラー

続いてご紹介する資格は、「キャリアコンサルタント/キャリアカウンセラー」です。

キャリアコンサルタント/キャリアカウンセラーとは、キャリアコンサルティングを行う専門家の国家資格です。具体的には、労働者の職業の選択や職業生活設計、または職業能力の開発・向上についての相談に応じたり、助言や指導を行ったりする仕事内容のことを言います。これを通し、自己理解を深めたり社会や企業の仕事について理解したりすることが可能となり、自身に合っている仕事も主体的に選択できるようになるというメリットがあります。塾を開業するにあたって経営者目線を取り入れたいと考えている方にとっては、役に立つ資格であると言えるでしょう。

キャリアコンサルタント/キャリアカウンセラーの取得方法

次に、キャリアコンサルタント/キャリアカウンセラーの資格の取得方法について解説します。

資格を取得するためには、学科試験・実技試験の両方に合格した上で、キャリアコンサルタント名簿に登録することが必要です。資格は5年ごとの更新制となっており、知識や技能も最新のものを身につけなければなりません。なお、「キャリアコンサルティング技能士」という言葉もありますが、こちらは国家検定であるキャリアコンサルティング技能検定に合格した人のことを指します。キャリアコンサルティング技能検定の能力水準はキャリアコンサルタント試験より上位のものであり、技能士1級は指導レベル、技能士2級は熟練レベルとされています。

心理カウンセラー

3つ目にご紹介するのは「心理カウンセラー」です。

厳密に言えば「心理カウンセラー」という名称の国家資格は存在しません。あくまで認定資格の区分になります。一口に心理カウンセラーといっても様々な種類の仕事があり、代表的なものには「臨床心理士」、「精神保健福祉士」、「メンタル心理士」、「産業カウンセラー」などが挙げられます。心理カウンセラーの主な仕事は、悩みを抱える人の話を聞き、悩みの解決を援助して導いていくことがメインです。現代のストレス社会においては特に注目されている職業であり、身に付けた知識は塾における生徒、受験戦争時の親御さんへの対応にも大いに役立てることができるでしょう。

心理カウンセラーの取得方法

では、ここからは心理カウンセラーに区分される資格の代表的なものである「臨床心理士」、「精神保健福祉士」、「産業カウンセラー」、「メンタル心理士」の5つの取得方法についてそれぞれご紹介したいと思います。

まずは臨床心理士です。

心理カウンセラーに関わる資格の中では最も有名で、取得難易度も高いものとなっています。一般的に日本臨床心理士資格認定協会が指定する「臨床心理士指定大学院(1種・2種)」を修了して、所定の条件を充足する必要があります。条件には実務経験が含まれる場合もあり、取得には最短7〜8年が必要です。

なお、試験は年1回開催され、ここ数年の合格率は約60%となっています。続いて精神保健福祉士についてです。先ほど「心理カウンセラーは国家資格ではない」と述べましたが、こちらは心理カウンセラーというより社会福祉業務に関連しているため、国家資格となっています。取得には様々な方法がありますが、一般的には4年制の福祉系大学に進学して指定科目を履修する流れとなります。

国家試験は年1回2日間にわたり実施され、合格率は60%前後となっています。産業カウンセラーは民間資格となっており、一般社団法人日本産業カウンセラー協会によって認定されています。なお、受験資格があり、「4年生大学学部及び、大学院研究科において心理学または心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの名称を冠する学部又は専攻(課程)を卒業した者」、あるいは「成年に達した者で、産業カウンセラー養成講座等を修了した者」となっています。

そのほかに、養成講座を受講して修了するという方法もあります。試験は年1回実施され、学科試験と実技試験があります。試験には学科や実技試験の免除制度があるのもポイントです。2014年度での総合合格率は、60.7%です。メンタル心理士も民間資格で、日本学習事業会によって認定されています。

こちらは主に医療従事者や社会福祉業務の従事者が患者のメンタルケアを行う際に役立つ資格ですが、自身のメンタルケアにも役立てることができます。受講資格は特に必要なく、日本学習事業会が認定するメンタル心理士実践力養成講座を受講すれば取得することが可能です。いつでも誰でも受講できるほか、半年という短い受講期間で取得できるのも魅力です。

塾に通う生徒のメンタルケアや自身のスキルアップに役立てたいと考えている方にはぴったりの資格であると言えるでしょう。このように、心理カウンセラーに関わる資格には様々な種類があるので、自分に向いていると思う資格の取得を検討してみてください。

プレゼンター/講師の民間資格

最後にご紹介するのは、「プレゼンター/講師」の民間資格についてです。

こちらは公的資格ではありませんが、民間の団体が認定する「人前で話す技術」についての認定資格が存在します。「プレゼン力」と「教える力」を身に付けることができるので、自ら講師として塾の教壇に立ちたいと考えている塾経営者の方にもおすすめの資格です。資格を取得すると認定証が発行されるので、プロフィールや名刺に記載したり、顧客の信頼を得たりすることも可能です。塾の経営においてメリットとなるだけでなく、自分自身のスキルアップにも繋がるでしょう。また、認定講師同士での交流会も開催されておいるので、ほかの仲間と意見や情報を交換し合ったりしてさらなるスキルを磨くことができるのもポイントです。

プレゼンター/講師の民間資格の取得方法

プレゼンター/講師の民間資格の取得方法は資格の内容によって異なりますが、ここでは一般的な資格取得までの流れについてご説明します。

まずは講師養成講座を受講します。講師養成講座では、講義の方法やトレーニング技法、カリキュラムやワークシートの作り方などの様々な内容について学んでいきます。続いて講師試験です。1次試験と2次試験があり、1次試験に合格することで2次試験の受験資格が得られます。

なお、1次試験は筆記試験、2次試験は実技試験となっています。2次試験に合格できなかった場合でも、1次試験に合格していれば6ヶ月以内なら再度2次試験の受験が可能です。ただし6ヶ月を超えると再度1次試験から受験する必要があるので注意しましょう。認定証は有料で発行することができます。なお、認定証には有効期限があり、初年度は1年間、それ以降は2年間となっています。

資格が集客やサービス向上の武器になることも

今回は塾経営に役立てることができる資格についてご紹介しました。

塾の開業には特別な資格は必要なく、それ故経営初心者の方であっても気軽に始めることができるというのが塾経営における最大のメリットです。しかし、その一方で何らかの資格を取得していればアピールへと繋がり、競合する塾との差別化にもなります。

塾経営がサービス業である以上、やはり信頼や実績の面で誇れる点があった方が保護者も安心できるというのも事実です。一口に資格と言ってもその種類は様々で、教育に関するもの、経営に関するもの、心理面のケアに関するものなど、多岐にわたります。

塾の開業にあたって何か資格を取得しておきたいと考えている方は、自分の目指している塾の理想の姿に合った資格を取得してみてはいかがでしょうか。その際はぜひ今回の記事の内容を参考に、取得する資格を選んでみてください。資格取得において身に付けた知識やスキルは塾経営のノウハウにも応用でき、集客やサービスの向上においても大いに武器となるでしょう。

また、塾の経営で何よりも大切なのは生徒の成長を見守ったり将来を考えたりする気持ちです。それこそがまさに最大の「資格」であると言えるかもしれません。

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